ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

マーチン・ファン・クレフェルト「戦争の変遷」

戦争の変遷

戦争の変遷

クラウゼヴィッツなんて時代遅れです」とはじめて大学ゼミ(ホントはゼミじゃなくて演習なんだけどね)の教授に言われたのが20年ぐらい前、じゃあ今は何が時代なのかってことは教えてくれなかったんでそれから自分でいろいろ読んできて、なるほど時代遅れだなーと納得してはいるので今更「クラウゼヴイッツなんて時代遅れです」ってどうよとか思ったのだが、この本こそまさに20年ぐらい前にそれを唱えた内容だったわけです。当時の最先端に触れていたのですねぇ、大久保先生ありがとうございます。

「戦争は政治の延長ではない」として、ではなんなのか。軍事とは、軍事力とは何か。その主体となる物は一体なんなのか。20年を経て読めばそこには正鵠を射る発言もあり、現在ではまだラディカルで首肯せざる内容もさらに20年後にはまた別かも知れないなあ。割りとショッキングな内容なのでボンクラな学生の頃にこんな話を聞かされなくてよかったかも知れん(笑)

イスラエルのね、人だなあと思う、いろいろとね。ボリュームある本だし正直読みやすいとは言えないので「戦争の本質と軍事力の諸相」asin:4882028603に収録されている論文「軍事力の有用性」の方を勧めておきます。

歴史を教訓だと思いたがる人は、おそらく平和に裏切られるだろう。