古生物学の黒い本、第5巻。三畳紀というのは広い地球に地面がたったの三畳分しかなかった時代、ではなく(あたりまえだ)むしろ地形としては超大陸パンゲアがあった時代。のちのジュラ紀・白亜紀と共に中生代をなす時代で、「『中生代』を一言でいえば、それは『爬虫類の時代』である」と本文にもある。
えっ
恐竜って爬虫類なの?
ともあれ、三畳紀に関して言えば「爬虫類の時代」であることに間違いはないようです、恐竜というトリだかトカゲだか正体のつかめないものは確かにこの時代から生まれたけれど、三畳紀の世界を支配していたのは翼竜や魚竜やクルロタルシ類といった爬虫類たちです。
クルロタルシ類とはなんぞや。
やー、この感読んで一番収穫だったのは多分これだな。むかし何かのイラストで見て、えらく印象的だった割にそれがなんだかよくわからないまま過ぎていたのだけれど、おそらく自分が見たのはクルロタルシ類を描いたものだったのでしょう、うんうん。
クルロタルシ類を一言でいうと「本気を出したワニ」である。どの辺が本気かというのは画像検索すればすぐわかる。なんというか「どっこいしょ」という感じでもあるのだが。
初期の恐竜類についても、とても興味深いものです。外観上は大差がないような種類でも、多様化の芽生えははじまっているのね…。なぜ本気を出したワニみたいなのが滅んで小型のトリだかトカゲだかわからんものが生き延びて繁栄したのかは、実はよくわからないのそうですが、「平たく言えば運(Luck)だ」という記述がむしろ重いなあ。
結局は運不運の問題なのよね、ミクロからマクロまでね。
気が向いたところで気が向いた巻号を読もうと思ってるこのシリーズ、今回三畳紀を読んだのは海洋堂のコレが「『中生代三畳紀の小型爬虫類が水中適応した末裔』という新しいアイディア」だというので興味を持ったんだけれど、海洋堂のアレのどの辺が三畳紀だったのかは……