ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

クリストファー・プリースト「隣接界」

 

隣接界 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

隣接界 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

 

 

ストーリーはsakさんとこにあるので丸投げる(ヒドイ

クリストファー・プリースト『隣接界』 - logical cypher scape

 

隣接するもの、隣にある世界。グレート・ブリテンイスラム共和国を振り出しに、複合する様々な世界を行き交って、お互いに死別した男女がもう一度出会うまでのお話。パラレルワールドではあるけれどパラレル(平行)というわけでもないのは現実の(我々の世界の)第一次世界大戦や第二次大戦といった時間軸を越えて動いたり、あるいは夢幻諸島(アーキペラゴ)というプリーストの他の作品(いや、他作品というわけではないのだけれど)に話が飛んだりする。その夢幻諸島を舞台にした第七部「プラチョウス」では文体も「夢幻諸島から」のようなスタイルになっていて、ここだけ抽出して単独の作品になりそうではあります。

http://abogard.hatenadiary.jp/entry/20131102/p1

 

パラレルワールドといえば「オーガス」な世代なんだけど、オーガスで平行世界をモザイク状に結合させたのが「時空振動弾」であったように、この作品でも「隣接性兵器」がお話のキーになっているのは面白かった。気に入らない相手をパラレルワールドに放り投げても問題は解決しないということだな(なのか)

ここではないところ、いまではないいつか、そういうものに対する感情を励起させるのがパラレルワールドSFのよいところで、でも「世界には今とここしかないのよ」と、シズノ先輩にはばっさり切られそうな気がします(ゼーガペインか)

しかしまあ、そりゃ人間スピットファイアで単独飛行せよと言われたら、そらアサッテの方向に飛び去りたくもなりますわな。ランカスターじゃこうはいかねえ(何)