先日横浜ロフトで開催されたSF放談にて、「これSFか?」とか言われていた作品。この著者は以前「世界が終わってしまったあとの世界で」を読んでるけど、あれも変な話だったよな。
で、読んでみたんですが、
これSFか!?
ある一点の技術的進歩以外はずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと、ハードボイルド探偵のハードボイルドミステリーを読まされる。車は空を飛ばないし、拳銃は鉛の弾丸を発射するし、ライティングデスクには鉛筆が常備されている。
ある一点、というのは人間に対する延命治療技術が確立されていることで、T7と呼ばれる薬物を投与することで、ひとは若返り長命を得ることが出来る社会となっている。ただし副作用として、
巨人になります
一度の施療ならば2m程度の長身に留まるけれど、四回も射つと身の丈4mの巨人(タイタン)となり、笑うだけで人間を吹っ飛ばすことが出来るようになる。
大豪院邪鬼かお前は
巨人化した分肉体も頑丈になり体重も増え、思考もだんだんと人間離れしていく、ただ数千人の資産家だけが巨人化を甘受している世界で、主人公キャル・サウンダーはタイタンたちともつながりを有する警察コンサルタントの私立探偵として、ある一人の男(タイタンである)の死の謎を追っていく……というもの。
や、普通に面白いミステリーですし、事件の真相は巨人の設定ともマッチしてちゃんとSFしてました。文体もいいし会話も軽妙、アクションシーンもふんだんに配されて意外なラストも含めていいですよこれ。ただ、2つ気になることがあって、
・著者ハーカウェイはジョン・ル・カレの息子なんだそうだけど、そのこと「世界が終わってしまったあとの世界で」には書いてあったかなあ?覚えがない。
・訳者あとがきで手塚治虫の「ビッグX」を引き合いに出しているけど
「進撃の巨人」でしょこれ
