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ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

マックス・バリー「機械男」

機械男

機械男

星雲仮面マシンマン」ってどの辺が「マシンマン」だったんでしょうね。それはともかく「『サイボーグ』という単語は実際にそのような技術が普及する時代になったら差別用語になるかも知れない」というのをずいぶん前に何かで読んだのだけれど、あれは一体なんだったろう? 士郎正宗の何かじゃないかと思うのだけれどちょっと調べが付かなかった。実際「仮面ライダークウガ」以降のいわゆる平成仮面ライダーシリーズでは、外科的処置として不可逆な人体の機械化改造手術を受けたキャラクターは一人も居らず、改造人間すなわちバケモノという物語要素は21世紀の家庭向けエンターテインメントとしては相応しからぬ物のようで。

そんなことをふと思い出したバリバリの改造人間小説です。人付き合いが大の苦手で人間より機械の方が大好きなオタク技術者の主人公チャールズ・ニューマンくんが仕事場でとんでもないドジを踏んだ結果片足を失い、病院から与えられた義足に満足できずに(でも義肢装具士のローラちゃんとは一発で恋に落ち)もっといいもの自分で造っちゃえ!むしろ生身の片足邪魔じゃね?いっそこっちも…とだんだんエスカレートしていく内容。身体欠損苦手な方には大文字で注意申し上げる。

映画「ザ・フライ」をね、ちょっと思い出しましたよ。あの映画も最初はハエの長所を取り入れて常人よりは進歩した能力を楽しんでいるけれど、だんだん化け物になっていく怖さが(またそのことに無自覚な怖さも)あってね…と。あくまで自分の趣味でやってた開発が知らないうちに軍事技術に流用されていたりイマドキの作品らしいのだけれど、本書一番の特徴は主人公のチャーリィがちっともモラルを備えてないってところにありそうです。あんまりいいヤツじゃないというか行動原理に共感しづらいというか。映画化も計画されているそうですが仮に実現した場合そこのところはスポイルされそうでちと心配。勤務先のベター・フューチャー社が自分の技術を勝手に(且つ恋人であるローラを実験台に)軍事利用していたことにカッとなってうっかりハイテク義足でCEOを蹴飛ばすとことか楽しいんだけどね(かなり高いビルの、窓の方に向かって)

キャラ的には「敵」として立ちふさがるベター・フューチャー社警備員のカールの方が断然いいヤツなんだけど、こっちの方は救いがなくて気の毒。風刺というよりブラックユーモアに近いもので、最終的にチャーリィが辿り着く姿はなるほど機械男である。これをこのまま映像化したらいろんなところからクレーム寄せられそうな気もする。

お話しの筋立てとしては結構な王道ストレートなので、キャラクターの立ち位置と救済を峻別すれば古き良きサイボーグ・ヒーローの物語に化けるかも知れません。ロボコップもリメイクされるし「サイボーグもの」が復権してくれないかな

そうそう、あとがきで知ったんだけど「電車男」って英訳されてんのね。