ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」13巻

今回からは「ルウム編」。そろそろタイトルを「セイラ・マス一代記」か「機動戦士ザク」に変えてもいいんじゃないかと思うほどガンダムのガの字も出てこない(笑)
このマンガを読んでる感覚ってNHK大河ドラマを見ているそれに近くて、私たちが織田信長豊臣秀吉の人生を知っているように、私たちはガンダムの「歴史」を知っている。単に年表上の存在だったいくつもの事件とその舞台裏を見ることによって得られる驚きの種類は「こうだったのか!」ではなくて「こう来るか!」というアレンジの妙だと思う。
いわゆる「ルウム戦役」で地球連邦軍が敗れレビル将軍が捕虜になる、というのは既定の事実であり、これは変えられない*1。そこに向けて物語と人物がどのように動いていくのか、何を描くのかを期待したい。
絵的な良さは今回も変わらず、コロニー落とし(ブリティッシュ作戦の方)は近藤和久の「MS戦記」以来何度か描かれてきたモチーフだが「採光窓を溶接して強度を高める」という描写は初めて見た気がする。サイド5「ルウム」に向けてジャブローから続々と打ち上げられる地球連邦軍宇宙艦隊という絵面も、いままでいろいろ言葉では語られてきたような光景を、イラストという形で示してくれて大変結構。おかげで「マゼランとかサラミスをあんな打ち上げ方したら、空気抵抗で艦橋がもげるんじゃないか」とか「そもそも宇宙艦隊がなんで1G重力下に配備されてるんだろう」とか、いらん事を考えてしまうが(苦笑)

今回見所。

・ドズル閣下はいいひとです
ランバ・ラルもいいひと
・セイラさんは戦うお姫様だ!
グワジン艦内のジオン軍幕僚のなかにコンスコンがいた。

*1:既刊分で回想シーン有り