- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/11/29
- メディア: ハードカバー
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前に「チルドレン」の感想を上梓したときにも書いたのだけれど、実際のところミステリー小説というジャンルではないと思う。カバーには「エンターテインメント大作」とされていて正しくその通りなのだが、どうも落ち着かない。ジャンル分類にそんなに意味があるとは思ってないのでそのあたり余り気になさらずに。
伊坂幸太郎がやってることは「30代向けライトノベル」なんじゃないかと思う。などと不用意に書くとそこいらからヤリが降ってきそうな気もするが――実際、本書を貸してくれた友人にその旨告げたら言下に否定されたのだけれど――いや、まあいいや書いてしまえ。「貴方がライトノベルだと思う作品がライトノベルです」って言うしね。「共産党宣言」とかもね。
内容は一言で言って「面白かった!」に尽きる。10代とは違う、20代でもない、それなりに社会的義務や責任があったり無かったりする人たちの、サスペンスフルな、うん、エンターテインメントです。今年出て読んだ中ではこれがイチオシかな。次の直木賞は取れないだろうが、別段賞などどうでも宜しい。*1
思うに30代向けエンターテインメント小説というものはそれほど「軽い」話にはならないのだろうけれど、それでも30代向けライトノベルというのはそれなりに狙い目だろうと考える。
*1:桜庭が本命でしょうね