- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2002/11/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き (光文社文庫)
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/12/07
- メディア: 文庫
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む、文庫にもなっているのか。今更説明の必要がないほど著名な作家が編んだ怪奇小説アンソロジー。半分ぐらいは既読の作品で、親本がつい最近読んだばかりのアンソロだったりするんだけど「お、あのひともこの作品好きなのかー」と思う感覚って好きなので読んでみる。
大収穫\(^o^)/
すごく昔に読んで強烈な印象が残ってて、でもタイトルも作者も収録されていた親本もすっかり忘れてた短編に、思いもよらず再読できてました♪デイヴィッド・マレル「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」これ新潮文庫の「ナイト・フライヤー」asin:4102193138に入ってたんだぁ…自分がキング読んでたのって高校生の頃ですから、この作品読んだのもまさにホラー小説の門をくぐってこの暗く密やかな小路をそろそろと歩み始めた頃なんだな、ああ。あの頃よりずっとずっと楽しく読める。オレンジは苦悩、ブルーは狂気。まさに、まさに。
ジェイコブス「猿の手」から始まる傑作ぞろいのアンソロジー、今まさにこの分野を読み始めようという方々には編者宮部みゆきの軽妙な解説もエッセイ風味で読みやすいしとてもおすすめな一冊で、旧き輩の方々にも名作を再読するのは悪くない内容。自分も久々に「猿の手」を読みなおして冒頭、視点人物である老人が息子とチェスを指しながら「取り返しのつかない差し手ちがい」をしてしまう、意味深な幕開けだったんだーと認識を新たにした。
既読分だとJ.D.ベリスフォード「のど斬り農場」フィリップ・K・ディック「変種第二号」がイイ!って「猿の手」とディックが一緒になってるアンソロなんてこれぐらいじゃないかしら。未読分だとH・R・ウェイクフィールド「幽霊(ゴースト)ハント」が映画「ゴジラ」第一作の例の鉄塔アナウンサー風味でつい爆笑してしまうし、ジョー・R・ランズデール「デトロイトにゆかりのない車」はこれから先の高齢社会にふさわしい、死神ネタでしんみりいい話なのです。怖い話、人が死ぬ話、それだけではないよね。
そして長年タイトルだけ聞いて内容を全く知らなかったシャーリィ・ジャクスンの「くじ」はほんとにおっかないのでした
(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク
この本、初版刊行は2002年の11月末でクリスマス向けのアイテムだったみたいです。だんだん寒くなってきましたからお部屋を暖かくして、そうして恐怖小説の背筋も凍るエンターテインメントをたっぷり味わってもらえるような、そんな一冊。
宮部みゆきもダーレスの「淋しい場所」が好きだったと知って、ちょっと嬉しい(^^;