ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

「イリュージョニスト」を見て来ました。

http://illusionist.jp/

すごく、良い映画でした。悲しい話だけど、良いアニメーションでした。パリで食い詰めた初老の手品師がイギリスに渡ってそこでも仕事を得られずスコットランドの片田舎に…みたいなストーリーで、言葉の通じない異国にただ独り、もとより台詞は少なめながらも英語台詞には字幕も無く、言葉が言葉として機能しません。パントマイムやサイレント映画のようなちょっと変わった雰囲気です。では何をやっているのか判然としないのかといえばさにあらず、表情や口ぶり、身振り手振りと前後関係でなにがどうなっているのか手に取るように良く判る。アニメーションとは画を動かす、動いているように見せる、そういう表現方法なのですけれども本作に於いては台詞は言葉ではなく「発語」として、ひとつのアクションとして機能している。そんな印象を受けました。

ナレーションの類は一切なく、説明的な台詞もまるでない。固定されたカメラワークの中で自由に動くキャラクターと丁寧に書き込まれた背景美術が(真面目に)見ている観客に対して実に雄弁に語らしめる。絵の中に、情報がある。

単純に比べるものではないでしょうけれども、直前まで友人と「何故イン○ィニット・ス○ラトスは説明台詞ばかりなのに『説明』はひとつもないのか」について大いに怪気炎を上げてたとこだったんでまーなんつーか、ばっちしぐーって感じ^^;

都内でも単館上映、ソフト化などもちと不明ですがこれはなかなかの作品です。言葉足らずですが必見の要有りと思われます。もしご覧になってツマランという方があれば謝罪しますが、本当に面白い作品なので機会があれば、是非に。


日本語サイトのトレーラーよりこっちのほうがずっと良い。どうしてだろうと思ったらサイトに載ってる方は「言葉」が余計なんだな。このタッチの絵柄でエヴァンゲリヲン新劇場版並みに美しい3DCG描画だけをとってもこれはとんでもない傑作じゃないかしら。


けれども、

ヒロインのアリスのキャラは、ありゃねーYO!と思います( ・ω・)

だから淋しいお話なんだけどね。