- 作者: ウォルター・J.ボイン,伏見威蕃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1991/12
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- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1991/12
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先日TVで「紅の豚」が放送されているのを見て久しぶりに思い出した、「紅の豚」を映画館で観た頃――考えてみれば最後に観たジブリ映画だ――に読んだ本。こういう航空冒険小説もひと頃はよく訳出されていたものですが、最近ではとんと見かけません。そんな唐突に思い出した作品がちゃんと図書館に収蔵されてて、それは実に感謝。
1920年代後半からから30年代後半にかけての、主にアメリカの航空業界を舞台にした作品。若き飛行士フランク・バンドフィールドと元ドイツ軍の撃墜王ブルーノ・ハーフナーとの因縁と宿業は初の大西洋横断飛行記録を狙った1927年のローズヴェルト飛行場から始まり、1937年ゲルニカ上空の空中戦で幕を閉じる。チャールズ・リンドバーグやハワード・ヒューズといった実在の人物、ロッキード・ヴェガやダグラスDC-2といった実在の航空機が数多く登場して物語に実感を与えます。航空技術が発達し航空産業が花開いた時代のアメリカの様子が色々描かれて、ただのパイロットだった主人公が企業経営に乗り出していく、アメリカ人好みのエンタープライズな話でもある。久しぶりに読み返してまー楽しいの。ですが、
こんなに濡れ場の多い話だったっけ(;´Д`)
アメリカ産の航空小説ってそうでなくてもベッドシーン多いけどさ、本作は主人公も宿敵も実にお盛んでバイタリティ溢れた…
エロスがあるからタナトスも輝くのでしょうけれど、ねぇ。
残念ながらamazonでは書影がないので小池重夫画伯による素晴らしい装画を貼っておきます。上下巻とも本文の記述が忠実にイラスト化されていて、お読みになられたのでしょうか?稀に本文とは全く関係がない、ほとんどイメージイラストみたいな表紙が描かれてることもあるジャンルですからこれは嬉しい事です。
コードロンC-460とセスナCR-3が競り合う下巻のイラストは昔からお気に入り。エアレースの風景がなんども出てくる、航空物にしても珍しい作品です。
このシリーズ続きがあって、航空機と産業を軸に第二次世界大戦や戦後のジェット時代まで繋がる大河ロマン(笑)になっていくんだけどそこまでは読み返さなくていいかな。でも第三部「空軍の荒鷲たち」はB-47の主翼がもげる衝撃的な表紙イラストだったりするのでB-47好きには超オススメ。