ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

チャイナ・ミエヴィル「言語都市」

言語都市 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)

言語都市 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)

なんか久しぶりに「歯が立たない」感というか書かれてある内容を味わいきれないというか、この言葉を使うのは本当に苦手なんだけど「難解」なイメージを受ける。独特な都市、ユニークを通り越してグロテスクな印象さえ受ける異星生命、一筋縄ではいかないキャラクターたちなどチャイナ・ミエヴィルの持つ良さは本作でも変わらずむしろ群を抜いているのだけれど、いかんせん二転三転するストーリーになかなか自分の思考が付いて行けない。重要人物かと思われたキャラがあっさり死んだり、端役と思われたキャラが急に台頭するなどエンターテインメント的には相当な変化球を投げていると思われる。

「言語」と世界認識はSF小説のテーマにはなり易く、小説以外のSFではやり難いもので王道と言えば王道ではあるのだけれど。

ものすごく重要なことが書かれているのにいまひとつ意味がつかめないもどかしさは高校生の頃「所有せざる人々」を読んで以来のなんだか挫折感です。でもきっと、自分以外にはもっとこの本の良さをわかり得る人が大勢居るのだろうと、そこの希望は持ちたいな…