チャイナ・ミエヴィルの作風というのはいわく捉え難いものがあるのだけれど、ここまでストレートな「歴史小説」を書くとは思わなかったので、それにはかなり驚いた。「小説」とはいえ記述はあくまで、フラットでノンフィクションと呼んでも差し支えはないのかもしれない。
ボルシェヴィキによる革命の起きた1917年のロシア、ペテルブルグを中心にした混迷と動乱を一章1か月単位で描いて、クライマックスは10月革命なのだけれど、しかし「ロシア革命」に向けられる様々なまなざしはその後の出来事、本書ではエピローグにまとめられた時期の出来事に焦点があてられるわけで、このパートでは著者の「主観」が全面に出てきている。
内容の是非を問うことは自分の手には余りますので触れませんが、20世紀に起きた大きな出来事、その後全世界に大きな影響を与えた出来事を知ることには非常に価値があると思いますので、こと共産趣味者に限らずに、広く様々な範囲の読者に読まれることを願います。
権力と暴力は、ノリだな。