ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

今年の一番について考える

毎年恒例の。

・今年読んだ本でいちばんはチャイナ・ミエヴィルの「ペルティード・ストリート・ステーション」だな。久しぶりに猥雑でパンクなSF読んだ気分でサイバーとかスチームとか小道具はどうでもいいんだ、問題は精神だ。この人はSFマガジンクトゥルフ神話特集で知った名前なんだけど「都市と都市」とか面白いお話を書く人でこの先もおっかけたいと思います。

・今年見た映画で一番は「ゴッド・ブレス・アメリカ」です。考えてみたら生身の人間の出てくる映画はこれと「アベンジャーズ」「ダークナイトライジング」しか見てないような気がするが。現在もなお乱射事件が続発するアメリカでは洒落にならないお話かもしれないけれど、平和な日本でゲラゲラ見られるこの幸せよ。

・今年見たアニメの一番は「宇宙戦艦ヤマト2199」の特に第二章「太陽圏の死闘」が最高だった。主人公がモウヤメヨウヨーとか言いださないガチの戦争アニメってあんまり無いもので貴重です。七色星団の決戦がどうなるかはともかくお話自体はこの先(おそらく)融和方向に向かっていくと思われるので、シリーズ前半の容赦ない死闘は実に見ごたえがあった。でも、仮に毎週放送のTVシリーズとしてやってたらここまでの高品質は保てなかったかもしれませんね。

・今年のプラモ事情は随分おもしろくて、戦車模型ではMENGのメルカバMk.3DやズヴェズダのT-90など現用車両が大人気でした。半面タミヤのエレファントはどうもそれほどではなかったようで、年末秋葉原の某店では半額ワゴンセール対象になってた…。ずいぶん前にAMがT-55特集やったときには「そうしないと売れない」って理由で表紙がWW2ドイツ戦車のキングタイガーだったんだけど、時代は変わったのかな?

それはともかく今年一番のプラモはハセガワの1/48ユーロファイター・タイフーンですよあれすっごくいいキットですよ。出来の良いスケールモデルは立体教材足り得るを地で行くような豊富なオプションと当初からスタンド利用を考慮した設計でやっぱヒコーキは飛んでる方が格好いいよなと思わされる。いや自分作りゃしませんけどね(笑)

・そんでもって本年接触したありとあらゆる概念の中で文句なしにナンバーワンなのはガールズ&パンツァーです。

いやー、ね、はじめてホビーショーの展示見た時はかなり疑問視してましたよ?メインスタッフが明らかになりPV流れ始めてもなにかこー、期待しない方がいいんだろうなと…「鋼鉄の少女たち」以来いろいろヒドイ目にあって来ましたしぼくたちわたしたち。

放送始まって第1話でイキナリ主人公が強制徴募されて巨大な空母で(゚д゚)ナニコレ? 感は消えなかったし2話でも正直戦車ってそんな簡単に動かせねーだろーといささか胡乱な眼でいましたけど、たぶん第3話ではじめてIV号D型が発砲した時か、換気ハッチ開いたり装填手用の前方視察クラッペを使用したりとその緻密な描写に驚かされ、4話の大洗市街戦でもうクギ付け(笑)気がついたらTVアニメにこんなにどっぷりハマったのって「ゼーガペイン」以来じゃあるまいか。スケジュール遅延による放送延期のお知らせ見たら居ても立ってもいられずに気がついたらBD全巻予約してそのあとプレーヤー買ったりモスクワ前面のドイツ軍並みに泥沼に浸かっていた…

タミヤの古いIV号D型が大売れしたのが実はちょっと驚きで、あの70年代生まれのキットって確かに模型屋の店頭にはいつでもあるんだけれど、イマドキだれが買うんだこれ?みたいな商品でね。でも、TV画面で毎週IV号D型が大活躍してた時、模型屋にちゃんとあって手に入れられるのはあのキットだけでした。そして本当に大事なことはあのIV号D型を買ったほとんどの人がちゃんと組み立てられて費用対効果の点で十分満足しただろうってことで、ここ十年ぐらいの戦車プラモの精密化・高価格化って一体俺たちなにやってたんだろうね。

いまプラッツの公式版「あんこうチーム仕様」IV号は各所で絶賛品切れ大人気だけど、パッケージング全体含めての顧客満足度合いってタミヤのIV号ほどは高くないんじゃあるまいかと心配になる。あのキットがはじめての戦車プラモだってひとがこのジャンルを忌避しないでくれたらいいんだけどなあ…

本編の話にもどると「パンツ見せません」って大方針がすごくよかったんだと思う。おかげでオッサンでも安心して見ていられるし、女性ファンにも広がったんじゃないかと思う。当初は戦車詳しくないと面白くないんじゃ…なんて心配したけど、むしろ詳しくないひとのほうがよっぽど素直に楽しんでるような気がします。近年稀に見る古典的で伝統的なスポーツ根性・少女友情アニメなんですよん。

「戦車はアニメート出来る」ってことを業界全体に知らしめた功績は大きいと思います。いま埋もれている需要は相当大きなものでしょうからこの先洋の東西を問わず様々な形で戦車がアニメで活躍してくれれば言うこと無しですね。

…モデグラのコンテストに投稿してみようかなあ(ぼんやり)

<追記>

大事なことを忘れてた。ガルパンを存分に楽しめたのはふたばの軍裏や模型板、ニコ動のMAD動画などのおかげでもあるんだよね。初音ミクで言うところのユーザー生成コンテンツ的な楽しみ方、盛り上がり方を強く感じたところで、著作権コントロールってただ規制するだけじゃなくてもっとこう、なにか製作サイドとファン層とで積極的な携わり方が出来ないもんかなーとか思いましたよいろいろと。