ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

月村了衛「機龍警察 狼眼殺手」

 

 読み終えた直後「うぅ…」とか「あぁ…」とか「みどライザ貴い」とか変な声しか出てこない。月村了衛はもう「機龍警察」シリーズだけしか読まなくていいかな、と思っているのだけれど、やっぱり「機龍警察」シリーズは読みごたえがあるものですね。

 

このシリーズはミステリ畑の書評でも度々高評価を得ているのだけれど、得てして「龍騎兵はやりすぎだが」みたいな前置きをされることが多い。それを反映してか「ミステリマガジン」に連載されていた今作では3体の龍騎兵というか機甲兵装全般がまったく表に出てこない。なので開幕からしばらくはこのまま警察小説で行くのかな…と思いきや、ストーリーの中核には巌として機甲兵装と龍騎兵が居座っているのだった…というような展開。

 

シン・ゴジラ」にね、やはり共通するところがあるのだと思う。いやむしろ「シン・ゴジラ」に先んじたところがと、いうべきだろうか。組織の中で個人がどうあるべきかというのは普遍のテーマだけれど、公僕が公僕たるには個々の人間がどう在るべきなのかと、「シン・ゴジラ」が怪獣映画の形でそれを描いたように、「機龍警察」は警察小説ならではの形でそれを描いているのだと思います。

 

まあ時代、だよなあ。日本で開発された(のかどうかはまだ不明なところが多いけれど)新技術を中国が盗りにくる話なんて、いずれ現実味を持たなくなるのだからさ…

 

姿もライザもユーリも、今回誰一人として龍騎兵に乗り込みもしないのだけれど、緑ちゃんが!バンシーに!!乗り込んでスヤスヤ御寝りシーンの良さ!!!!語彙が来い!!!!!

 

たぶん、ストーリーが完結する際には沖津特捜部長は死ぬんじゃあるまいか。なんだかそんな気がしてきました…

 

そういえばアニメの「NOIR」には「冷眼殺手」なる殺し屋が出てきたなあ。引き出し、大事大事。