ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

月村了衛「機龍警察 火宅」

シリーズ初の短編集。表題作は創元の年刊SF傑作選で初めて読んだ*1作品だったのでした。「SF」を期待していたら「警察小説」だった意外さは当時の感想にも記されているけれど、むしろジャンル・プロパー以外の一般読者層にも十分訴求する作品なんだなというのはこれら短編群のほうが解りやすいかもしれません。巻末にあった掲載リストを見たら掲載誌も出版社も多様だったんで驚いたんだけれど、あまりSFの枠組みで捉えるのも考え物なのかも知れないね。しかし同一のシリーズがほぼ同時期に早川・創元・河出どころか新潮や徳間、角川にまで手広く発表されてるのって結構画期的なことじゃあるまいか。それだけ広範囲の支持を得ているということかな。

短編作品八本ある中で一本好きな作品を挙げるとしたら間違いなく「勤行」なんだけど、それら掲載作品の内容は全部SAKさんところに丸投げして(えー)、「機龍警察」シリーズの中でもこの一冊が極めて特別な位置を占めるんではないか・・・という個人的な感想を書いておくと

SATが一人も死んでないYO!!

とゆーのにビックリしました。