ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ぬまがさワタリ「絶滅どうぶつ図鑑」

 

絶滅どうぶつ図鑑 拝啓 人類さま ぼくたちぜつめつしました

絶滅どうぶつ図鑑 拝啓 人類さま ぼくたちぜつめつしました

 

 ツイッターで話題のイラストレーターぬまがささんによる、ちょっとユルめの動物図鑑。これまでいくつか出ていたけれど、今回は新生代第三期・第四期に生息していた古生物中心の内容だったので手に取ってみた。

「ウワーッ!」の名台詞に代表されるようにユーモラス且つブラックなテイストも含むスタイルで、全77種の生物が解説される。個人的にはガストルニスとフォルスラコスの恐鳥類2種が掲載されていてうれしい。古生物の黒い本にもあった(http://abogard.hatenadiary.jp/entry/2017/01/29/124733)ように、この時期の絶滅要因のひとつ、大きなひとつは「人類との接触」で、それは現生の絶滅動物や危惧種にも大きな影を落としている。そういうことをソフトに考えさせるためには、骨格標本ばかりではなく本書のようなコミカル化、キャラクター化という手法は有力なのでしょうね。ディフォルメを行ったうえでなお本質は外さずに魅力を伝える。ぬまがささんがやってることは戦車の世界でモリナガ・ヨウ先生がやっていることとたぶん、よく似ている。

10月21日までは吉祥寺のPARCOで個展も開催されているのでご興味のある方はぜひ。肉筆画もあります。絶滅どうぶつケーキというのもあってちょっとしたJ.G.バラード気分だ(http://abogard.hatenadiary.jp/entry/20091012/1255356490