ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

伊藤典夫訳・高橋良平編「伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ」

 

伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ (ハヤカワ文庫SF)

伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ (ハヤカワ文庫SF)

 

 編者をテーマにしたアンソロジーということで、浅倉久志の「きょうも上天気」(http://abogard.hatenadiary.jp/entry/20120430/p1)のようなものを期待していたんだけれどちょっと違うというかなんというか、全体的に素朴というか「古い」話が多くてどうもちょっとなううむ。巻末に対談(鏡明とのもの)があるけどこれだって1981年初出のものだしなあ。編者によるあとがきも翻訳者伊藤典夫の若い頃のエピソードを紹介するものにとどまる内容で、いったい今の読者に何を提示したいのかよくわからない。大御所、大ベテランではあるし業績は大きいとは思いますが、おじいちゃんすごいですねでいいのかそれは。

表題作をはじめTVドラマ「ミステリーゾーン」風味の、日常に起こるささやかなよしなしごとがSF的大事件に拡大するようなお話が多くて「世にも奇妙な物語」ファンあたりを狙ったのかな。でもその「日常」が古すぎてあんまり日常的な感覚で読めないんだよなどうもな。

カバー絵からなにかほのぼのSFみたいなのを期待して読んだらダークな話が多くて面食らったという、事故みたいなところもあるのだけれどw