ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」12巻

今回は「開戦編・後」である。実際に戦争が始まるのは巻末のことで、それまでは個々のキャラのエピソードが描かれる。

シャアとララァの初めての出会いがひとつのメインか?TVシリーズではこの二人の関係は親子のように見えたものだが、このマンガでは兄妹のように思える。セイラとララァの関係性ってこれまで言われたこともなかったけれども。

「THE ORIGIN」がオリジナルのTV版と違うところはいくつもある。例えば連邦軍のMS開発がもう少し以前から行われていて、開戦以前に既にガンタンクガンキャノンは配備されている。今巻ではミノフスキー博士の亡命劇*1の影で連邦軍の試作MS、RX−77と同じくジオンのMS−05*2が人類史上初のMS戦闘を繰り広げる。エリートパイロット(だろう)を集めた一個中隊12機のガンキャノンに対し、ジオンのザクは僅かに5機。操るパイロットは出世街道を追われた反主流派の軍人、兵隊ヤクザ3名、士官学校放校処分の過去をもつ札付きの不良パイロットなのであった。ジオン軍ピーンチ!

・・・その5人というのはランバ・ラル黒い三連星、オマケにシャアだったりするので12機のガンキャノンは瞬殺されてしまう(笑)

アムロ君の駄目な日常っぷりはTVよりも増加しているように思える。描写というのはインフレーションを起こす物なので「内向的な、非社会的人物」ひとつを描く際にも20年前と同じではダメなんだろうな。

*1:これも今まで描かれた事はなかった設定の一つだ。既存とはいえ例によって「ガンダムセンチュリー」の後付設定だろうが

*2:指揮官機のみ、量産以前のMS−04を使用