- 作者: チャールス・ラム,宇田道夫,光藤亘
- 出版社/メーカー: 朝日ソノラマ
- 発売日: 1982/07
- メディア: 文庫
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朝日ソノラマの航空戦史シリーズってイギリス軍ネタ多いね、なフェアリー・ソードフィッシュの戦記本。戦時中イギリス海軍航空隊で本機のパイロットであった著者自身の体験を記したもの。開戦当初の北海での機雷封鎖作戦(空母カレイジアスに乗り組みでUボートに撃沈される)や、マルタ島(このときはイラストリアスに乗っていて、母艦は大破)などの地中海戦域がメイン。タラント湾空襲の章など名前だけ聞いてて詳しい知識がなかったお題も多く、読み応えもあります。所属部隊が違うのでソードフィッシュいちばんのエピソードであるところの戦艦ビスマルク追撃戦やケルベロス作戦の話はないけど、そっちは類書がいくつかあるんでまあエエでしょ。
ソードフィッシュといえば時代遅れの複葉機だけど性能は良く多用され、とりわけ運動性の高さと頑丈さは本文随所に記述されています。後継機アルバコアが失敗作でそっちのほうが先に退役して・・・みたいな話は巻末後記で若干解説されているけれど、艦上雷撃機がまともに運用されてたのは第二次大戦前後のわずかな時期で、満足に使えてたのもアメリカと日本ぐらいなもんだしなーとふと思う。イギリス海軍の場合艦隊航空戦力にリソースを割く必要はもちろん有ったわけだけれどね。
イギリス軍の航空魚雷は接触信管と磁気信管のふた通りの起爆手段があったそうなんだけど、同時期のアメリカ海軍の(潜水艦用の)魚雷みたいなトラブルはなかったんだな。