- 作者: 加納朋子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/04
- メディア: 単行本
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日本の文芸論壇に連綿と続く伝統の「部活もの」小説。
加納朋子を読むのは随分と久し振りで最後はいつだっただろうか?「ささらさや」がイマイチだったのか「『ななつのこ』の続きがまた出たぞ」と聞かされてうへぇな気分になったんだったか、その辺りか。
普通に上手い人なんで、普通に面白いです。読者としてどんな層を狙ってたのかがちょっと気になるのは、作者の最新刊「七人の敵がいる」asin:4087713563がPTA小説だったそうで(考えてみればそれも部活もの作品の変奏なのかも知れないが)、それを踏まえて果たして自分はこの女子中学生一人称で書かれた部活もの小説を、共感しながら読むべきなのかそれとも観察と捉えて見物するべきなのか、そんなことを考えながら読んでたからか。
男女間で評価の分かれそうな作品だなあ、とか思う。なんとなくね。
みんながみんなちょっとずつ大人になるなかで、個人的にはるなるな*1の成長具合が素敵です。めめんと☆もり♪
そーいや「魔法飛行」のひとだもんな〜などと思い、久し振りに読み返してみると全然違う。けれどやってることはおんなじ。そんな感想を持ちました。
まあNHKがドラマ化しそうなお話ではある。
どうにもモヤモヤした読了感がついて離れないのだけれど、装丁が実に示唆に富んでいてこのことは記録しておこうと思う。書影で判るようにとても楽しそうな表紙イラストなのだけれど、読んでるうちにどうもこの6人のキャラクターの中に主人公が居ないような気分になってくる。読み終えて実際ヒロインはここには不在で、では何処に居るんだろうと本を裏返すと
うわ。
こういう感覚は紙の本ならではで、電子出版では味わえないだろうなーと、思います。
*1:「朋」と書いて月がふたつで「るなるな」と読ませるお金持ちの美少女キャラ。冷静に考えると痛いネーミングだよなw