ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

橋本明「棄民たちの戦場 米軍日系人部隊の悲劇」

棄民たちの戦場―米軍日系人部隊の悲劇

棄民たちの戦場―米軍日系人部隊の悲劇

随分と扇情的なタイトルからこれまで読んできた何冊かの「442連隊もの」とは違う種類の切り口を期待したのだけれど、読んでみたらまあ、よくある「442連隊もの」でした。フランス戦役でドイツ軍の包囲下に置かれたテキサス第141大隊――いわゆる失われた大隊――の救出行に多くのページを割いてるのは珍しいかもしれない。イタリア戦の話はあまりない。

「国内では人種差別と闘い、国外ではファシズムと戦った」日系人部隊についてひとが何を思いどう考えるか、それについては感情過多になりかねないので敢えてここでは書きません。ただ昔、学生の頃とあるボードシミュレーション・ウォーゲーム*1のコマに442連隊が存在して、非常に高い数値が割り振られていた時に感じたある種のこう…言わせんな、恥ずかしい。

本書を読んでいて痛烈に感じたのはぼくたちわたしたちが当時の日系二世ではなく白人系アメリカ人の立場にたってものを考えられるか…と、いうことだな。例えばこんな感じで

(以下、仮定の駄文)

仮に君の存在を日本を愛する日本国軍の軍人、将校だとする。ある日突然ドコカノ国が卑怯にも奇襲攻撃によって戦端を開き、日本国とドコカノ国は戦争状態に突入した。日本を愛する将校である君は当然愛国心に萌えて軍務に付き、新編成の部隊の指揮を任されることになる。


部下は全員ドコカノ人系日本人でつい先日まで日本国政府の施策で強制収容所に入れられて訓練中も木銃しか与えられてなかった連中だ。

君なら、どうしますか?


実際アメリカ社会はそれをやったんだよなーと、そう思った。もちろん大多数のアメリカ人はそんな事実を知らされていない訳ではあるのだが。


おれ?おれはねー


けんぽーきゅーじょーがあればにほんにせんそうはおちてきませんそう(棒

*1:たしかヨーロッパシリーズの何かだ