ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

小川一水「青い星まで飛んでいけ」

青い星まで飛んでいけ (ハヤカワ文庫JA)

青い星まで飛んでいけ (ハヤカワ文庫JA)

ハヤカワ文庫のSF短篇集としては「フリーランチの時代」asin:4150309302に次ぐもの。初出はSFマガジン以外にもいろいろですが、基本恋愛メインです。あまりにもあんまりイチャイチャラヴラヴする話が多くて、おまいらそんなに色恋が好きならベトナムに行ってチョッパーになれ!などとフンガイしそうなものだが表題作「青い星まで飛んでいけ」の主人公エクスこと知性探査機(群)ホモ・エクスプロルレスくんのフラっれっぷりには同情を禁じ得ない。下位探査機の思考がニコニコ動画のコメント欄なみに感動過多で無責任なところもナミダをさそう…

普通に読みやすい、普通に楽しめるSF小説です。珍しく現代日本を舞台にした一種の超能力者小説である「占職術士の希望」も、最後まで読むとああこの作者の天職はファーストコンタクトSFなんだなあと、読者には判る仕掛けになってて。そこに登場するヒロイン寛奈の「画家と軍事参謀と迷路設計家と娼婦と君主に適性がある」ってキャラクター小説的にいろいろ最強だよなー、とか。