ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

上遠野浩平「彼方に竜がいるならば」

 「アウトランドスの戀」が収録されている、「戦車のような彼女たち」(http://abogard.hatenadiary.jp/entry/20120807/p1)とは対になる短編集。なかなか出ないナーと思ってるうちにすっかり忘れていたけれど、2年前に出てたのねアンテナ弱すぎだね俺。

 

とはいえ判型も装丁も「戦車のような彼女たち」とは全然違ってて、戦地調停士のシリーズ(事件シリーズ、と言った方が自然なのだが)になってるようです(kindle版は明確にサブタイトルが付いている)。がーしかし、舞台は異世界ではなく現代社会で、むしろ単行本化にあたって各作品間をつなぐブリッジを追加したことによって、直球でブギーポップになってる。裏表紙にはイラストもある。オマケにちょうひさしぶりに木村明雄君が出てきたのでいささか感動してしまった…

 

大体の内容は事件シリーズで起きた事件の欠片がソーコクカドーレーシンゲンリだかなんだかでこっちの世界に表れて、それらによっていろんな人の人生が曲がったり響いたりリセットちゃんがコキ使われたりとかそんな感じです、事件シリーズは一番最初の「殺竜事件」しか読んでないんだけれど、読んでなくともだいたい楽しめました。

 

そしてやはりポルシェ式幼な妻と天罰夫くんの新婚家庭は良いなあとほっこりするわけである。