ちょっと思うところあってキットレビュー的な記事を書いてみようと思います。最近あんまり読書もしてないしねー。
お題はプラッツの1/56スケール「おてごろ模型戦車道」シリーズから、プラウダ高校のJS-2、ノンナさんの愛車です。このシリーズパーツ点数も少なく作りやすそうな印象なんですが、実際作ってる人ってどれぐらいいるんだろう?特にJS-2の場合はほぼ同クラスにタミヤのヨンパチという強力なライバルがいて、かつ版権料その他で価格(希望小売価格)も割高となってしまうので、手を出しかねてる人も居られるんじゃないかしら。
かくいう自分も大体上記のような理由で手を出さずにいたのですが、先日大洗のジョイショップタグチさんで 『大洗「おかえり」ミッション』 の支援チケットを利用して購入してみました。最新キットではないけれど、案外中身を知らない人も多かろうと、ちょっと丁寧なレビューをしてみようかなーと。
作りや仕上げは雑になるかも知れんが (´・ω・`)
キットパーツはイタレリ製です。1/56スケールで展開する「おてごろ模型戦車道」のシリーズにはルビコンモデルズ製のキットもあり、2社のキットでは若干差異がありますので念のため。しかし別々のメーカーの製品をひとつのシリーズにまとめるというのもちょっと変わった趣向であり、それぞれのキットで設計のセンスや開発思想(?)の違いを見られるというのもユニークな試みではありますね。プラッツならでは…と、いえるのかな?
ランナー2枚のパーツで重戦車が組み立てられる、おてごろな感じのプラモデルです。もちろんもっと小さなサイズの戦車プラモデルも世の中にはありますし、ミニスケールならではの良さというのもあるのですが、本製品の利点というのは手軽に組めて適度なボリュームを維持でき、普段は忙しい人でも週末の土日に肩肘張らずに完成できるようなところにあるのでしょうね。
1/56スケールという日本の模型界隈ではあまり見ないスケールについては、取説に才谷屋龍一先生がマンガ形式で説明されているのでそちらをどうぞ。ネットには挙げません(笑)
デカールはプラウダ高校の校章と車体番号がそれぞれ劇場版のグリーン塗装に合わせたものと、TVシリーズでの冬季迷彩に対応したものの2種。加えてノンナさんとクラーラさんのアップ画が付属します。実はTVシリーズと劇場版で校章のサイズが違ってるってこのキット買うまで気が付かなかった。ちょっとシベリア逝ってくる。
あれ、最終章2話ではどーだったかな……
ところでTVシリーズの時にノンナさんが最初に乗ってたT-34/85は、どんなクルー構成だったのかしら。
砲塔パーツはよくある上下2パーツ成型ではなく、箱組(と言うのだろうか)に分割されています。この辺はちょっと注意が必要です(でした)。また砲塔・車体共にロシア戦車特有の鋳造仕上げが再現されていないので、不満を感じる人もいるかもしれません(しれました)。逆に言えばそういう個所は自分なりの腕の振るいどころでもあります、何事もポジティブに捉えて前進前進。
キャタピラは片側4ピースの部分連結式で、表面にもモールドが施されています。一般的な戦車模型、1/35とか1/48スケールのものならそんなのあたりまえですが、1/56スケールではルビコンモデルの製品がキャタピラのモールドを大胆に省略していて、このイタレリ製キットとは対照的なんですね。どこを省力化して組み立て易さとコストダウンを図るか、メーカーの考え方の違いが出ていて面白いところです。
ではイタレリの1/56はどこを省力化して組み立て易さとコストダウンを図っているかと言えば、車体側面と転輪部分を大胆に一体化させるという方法を取っています。サスペンションなど足回りの表現が単調になってしまうのは、これまたルビコンモデルの製品とは対照的なんですね(ルビコンはキャタピラを省略して足回りに注力している印象)。一長一短あってどちらをとるかは人それぞれですが、転輪たくさん組むのメンドイです。という方にはこちらをオススメしますw あーあと、一部転輪に見える四角い差込口は大事ですからね!あとで効いてきますよここ!!
さて、組み立てですが取説の順番とは変えています。キット本来の指示ではまずキャタピラと車体の両側面を組立て、そこから車体下部を箱組するのですが、今回は塗装の便を考慮してキャタピラを後付けする方式で。いわゆる「C組み」みたいなスタイルを想定していました(過去形)。先に車体だけ組んだ方が合わせ目の処理とか楽ではあるのですが、実は取説の順番にもちゃんと意味はありました。そこをどうするかは、熟慮した方がよいかもだ。
砲塔は相当合わせ目が目立ちましたので、処理しがてら鋳造肌のテクスチャを追加します。梨地を作るにもやりかたはいろいろですが、日本では一番ポピュラーと思われるタミヤパテを擦り付ける方法で。最初から「溶きパテ」を作ってそれを塗るのも良いのですが、自分はパテを乗せてそこに溶剤なりなんなり(実は流し込み接着剤が結構よい)を付けて伸ばす「溶かしパテ」みたいなことをやっています。伸ばしたり叩いたりするのは古い筆がよいと言いますが、最近ウェーブの「使いきりタイプミニ平筆」を導入したところ、作業性が飛躍的に向上しました。これは良いもので、実際安い。
砲塔をやった以上車体側にも鋳造梨地を作らざるを得ない。車体の後半は鋳造ではなくたしか圧延の鋼板なので、そっちはマスキングで養生します。なおこの作業をやるときにはタミヤの48キットが大変参考になりますが、あんまり見てるとそっちを作り始めそうになるから注意だ!飲み込まれるな!!
※鋳造肌のスケール感については、見解を明らかにしないこととします。
車体はだいたい形になって来ました。戦車模型の一番楽しいところはこのぐらいのタイミングかな?他にも箱を開けた瞬間が一番楽しいし、ウェザリングを重ねていく流れが一番楽しいし、完成したときの達成感も一番楽しい。戦車模型には一番楽しいがたくさんあって、実に結構なことです。あとすっかり書き忘れましたが122mm砲身は先端のマズルブレーキ含めてスライド金型の一体成型です。そういうところに気づく瞬間もまた、一番楽しい。
それでキャタピラですが、先に記したように転輪に開いている差込口に、履帯裏の突出しをはめることで固定されます。車体後半が見切れていますが起動輪の「歯」は完成後に見える部分しかモールドされていないので、履帯と起動輪の組付けも容易なのです。
上部も同様で、自然な弛みが造形された履帯裏側の突出しを転輪の差込みに……
見えませんね転輪側 (´・ω・`)
あっ
……先に車体組んじゃったからだっ💦
こういう場合は慌てず騒がず前からスライドすれば
弛みが邪魔して入りません (´・ω・`)
では横からスライドさせたらどうか
センターガイドがあるから無理 (´・ω・`)
むぅ……
そこでわたしは「手術!!」と叫んで突出しを全部切り飛ばすことにしたのです(´・ω・`)
この決定が吉と出るか凶と出るかはよくわからない。なぜならまだ完成していないからだ。
果たしてどうなるかはまあその、次回「塗装編」にて明らかになることでしょう。
たぶんね(・ω・)ノ