ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

「魔女見習いをさがして」見てきました

公式。 おジャ魔女どれみ20周年記念作品というわけで、20年というのもあっという間ですね。当時はまだ20代で、アーマーモデリングも隔月刊でした(関係ない)。

 

特にネタバレがどうこうというタイプの映画ではないと思うのですが、念のため続きは隠しておきます。

 一番最初にイメージイラストというかキービジュアル(満月を背にシルエットで皆が飛んでいる画)が出た時、てっきりどれみさんたちがジェダイマスターになってパダワンをさがすような話かと思ったのよね。でもどれみさんたちがその後どうなったかというのは、「おジャ魔女どれみ16」から始まる小説版で全部やり切ってるから今更そんな話やるのかねという疑問はあった。だから、主人公がどれみさん達ではなくて、かつてアニメを見ていた女の子が成長して大人になったひとたちなのだと聞いた時には、確かに驚いたけれどまあ納得はしました。それで、そういう話を見に行ったもんかなあとも思ったのだけれど、やはり見に行って正解でした。面白かったですよ。劇場では女性客やカップルに混じっておじさん独りというのも散見されましたし。

 

まあなんだろうなあ、ソラ、ミレ、レイカの3人は会社員だったり学生だったりフリーターだったり、ごく普通の生活をしているごく普通の市井の人物です。そういうひとはなかなかアニメの主役になりません(なりはしますが、魔女っ子アニメの主役にはなかなかならんでしょう)。等身大の人たちの抱える等身大の悩みが、且つて見ていたアニメの物語やキャラクターの言動によって解決したり改善されたりして、結果人は前に進んで行く。だいたいそういうお話。モブキャラクターにも常に人生はあり、人生のあるところには常に主人公がいる。だからモブキャラなんていないんだ。そんなことを考えました。考えてみると「おジャ魔女どれみ」のシリーズはクラスの同級生を単なるモブキャラ扱いせずに、ひとりひとりに個性と人格を確立していたよな、なんてことを思い出したり。

モブキャラといえば放送当時おジャ魔女6人を演じていた声優さんたちが今回はモブキャラに声あてていて面白いんですが(笑)

とにかく「移動する」アニメだなあと思わされる。「ロードムービー」と評する声も聞かれたけれど、単純に聖地巡礼とかそういう移動だけではなくて、ヒモの彼氏を捨てて東京に上京したり、会社に辞表を叩きつけて自ら起業したり、教師になるという夢の軌道を修正したり、3人の主人公は様々に移動を繰り返している。ソラが鴨川の岸辺で大宮に告白する時は一度彼の前を通り過ぎ、そこで振り返って戻るというターンをしている。これはちょっと印象的でした。なにがどうということでもないのだけれど。

安直に恋愛オチにしない姿勢は良かった。なんだかんだで大宮氏は怪しすぎるw

 

それで、主人公たちの回想やLINEのスタンプ、本編映像素材としてちょこちょこ出てきたどれみさんはじめおジャ魔女のみんなが、クライマックスにはついに姿を現す訳なのですが(ネタバレだ!)、その際に明らかになったのはこの「魔女見習いをさがして」が、実はどれみさんたちがジェダイマスターになってパダワンをさがす話だったのだ。という謎解きでした。さがしていた魔女見習いは確かに見つかりました。ではそれはどこにいたのかといえば

 

おジャ魔女はそこにいる、ハートのど真ん中」というやつです。

 

…奇跡も魔法もあるんだよ(それはどれみさんじゃない)

 

おジャ魔女どれみの、特に初期のシリーズでは「魔法は失敗するけれど問題は解決する」話が多かったように思います。「魔女見習いをさがして」にもちょっとそんな雰囲気はあって、魔法が直接何かを大きく動かしたり問題を解決するようなことは無い(むしろ魔法だと信じたことの結果で人間関係にヒビが入ったりする)けれど、ひとりひとりのなかにある夢や望みや願いが、何かを動かしたり問題に対処できたりする。そういうところが魔法であって、フィクションには人の意思決定や行動を後押しするあるいはステージアップするような、そんな力があるのでしょうね。

 

3人のキャラクター性とそれぞれの推しキャラが微妙にズレてるのが面白いのだけれど、やはりあいこっち絡みはディープであるなあ。そして3人の中の人たちの推しキャラが、これまた違っているのが面白いところでして。

 

あと裏切らない石田彰は超有能。ここ大事大事。