- 作者: フリッツ・ライバー,深町眞理子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1979/09
- メディア: 文庫
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古書店で購入してすごく久しぶりに再読。数年前「妻という名の魔女たち」asin:448862507Xが復刊された時、すぐにこちらも…と思ったけれど結局出ずに今に至る。初読は高校生の時かな?「現代の魔女はコンサート会場から白いイブニングドレスで駆けつける」というクライマックスだけ先に知ってて読んだんだよな。再読の今も「闇の聖母」の意外な正体と対決シーンは良く覚えていたが、そのほかは全部忘れていました。
これ現代の――といっても四半世紀前の作品ですが――オカルト・ブームと都市の不安を虚実取り混ぜて書痴的要素満載で書いた相当マニアックなシロモノだったんだな。非クトゥルフなラブクラフト、プロヴィデンスもののそれを70年代西海岸にリバイブさせたとでも言えようか、初読当時まだホモ・サピエンスに進化したばかり*1の自分ではいろいろ歯が立たなかったろうと、いささか不憫に思う。1970年代サンフランシスコに都市萌えする物語なんてあの頃にはまだ存在し得ない概念だしなあ。M.R.ジェイムズについての言及はこの年にようやく読んだ一冊*2がなければサッパリだったろうから、タイミングと順番に感謝することしきり。
再読してみても若干展開がタルいの否めないし、それほど広くおススメ出来るものでもないかなーと思う。思うけれどもやっぱり件のクライマックスはかっちょイイのであります。それと、
たいして売れてそうもないホラー作家のくせにひと回りも年下の彼女(セフレ!)がいて自分の蔵書の扱いは超がつくほど乱雑でおまけに市立図書館から一冊盗んでくる主人公のフランツくんばくはつしろ。
*1:それまでは昆虫の一種だった