ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

「荒野のコトブキ飛行隊 完全版」見てきました

公式。といっても映画の公式サイトというのは無いのね。完全新作ではない総集編+新作カットが「完全版」ならばTVシリーズは不完全なのかという難癖wはともかく、面白い映画でありました。大画面と迫力の7.1ch音声で大空を自由に飛び交うヒコーキ映画、なかなか昨今のアニメーションでもここまで作り込んだ飛行機物は無いでしょうと*1

TVシリーズにあったエピソードはいくつかは大胆にカットされているのだけれど、TVシリーズの前半部分にあった謎の陰謀が段々と進められて誰がその黒幕なのかという、謎解きやミスリードの要素も切り捨てて、ストーリー自体は分かりやすいし空戦はじめ飛行機のアクションは成分多めで、TVシリーズ履修済みの方は最初からMX4Dで見ちゃってもよいかなと思います。逆に未見の方は途中から唐突に出てくるキャラが多くて戸惑うかも知れません。キリエとナオミの因縁とサブジーを巡る2人の関係が全部出なかったのはちょっとビックリしたんだけれど、あの部分はストーリーには全然関係なかったしなあ…サブジーとキリエの(特に思想性に於いての)師弟関係はきっちりやっています。大空はアナーキーだ!(そうなのか)

新作部分は主に2つで、ひとつはコトブキ飛行隊結成当時のエピソード。6人のそれまでの前歴を見せるのですが、エンマの旧友としてTVに1カット出ていたタミルが拾われていたり、チカが実は空賊出身だったりとなかなか面白いところです。ザラさんいい女過ぎです。もうひとつは最終決戦前夜の羽衣丸一同の思いというか行動というかそういうところで、ガルパンの黒森峰前夜を思い出すような作りだ。その場面ではTVシリーズの際に完全に死に設定だった「キリエとエンマは幼なじみ」というのをこれまたちゃんと拾っていて、丁寧なつくりはしているのだよな。チカのベッドの横にあった落書き、サネアツ副船長のベッドの上に貼ってあった写真(ポスター?)、パーソナルスペースにあるパーソナリティが、キャラの魅力を増やしているのだなあ…。そしてやっぱりザラさんいい女過ぎです。チームの要はあきらかにあのひとだ(笑)

新作にあたってどんなエピソードが見たいのかを、ファンではなくスタッフにアンケート取ったのだそうで、そういうことをやったアニメも無いように思います。

 

藤原啓治さんは本作が遺作ということになるのでしょうか、新作パートのサネアツ副船長の演技はこれまでとまったく変わらぬ楽しい芝居で、いまでもちょっと、亡くなったことが信じられない気持ちではありますね…

 

まあやはり飛行機プラモが作りたくなる映画ではある。ファインモールドの1/72隼が一般流通してくれればいいのにな(´・ω・`)

いまでもモデルカステンのオンラインストアで入手は可能なんですが、2機分のパーツと本来別売りのデカールをセットというイレギュラーな販売方法で、おまけにデカールのVol.1(キリエ&チカ機)はセットから除外するというその、

http://www.modelkasten.com/modelkasten/

*1:飛行機アニメ自体は時々出てくるのだけれど、ほぼ死屍累々という感がある