「機甲戦の理論と歴史」*1著者による、同一テーマとなる一冊。既刊の自著をもとに大幅に書き直して、新たに再構成した旨が前書きにもある。なので内容は重複するところもあるのだけれど、前著よりは日本の機甲の変遷(それは旧軍と自衛隊との間に連続性を持つものである)について、多くのページが割かれている。諸外国での編成や運用、用兵思想の発達についても、それに対して本邦はどうであったかという意識?を感じる。
個々のエピソードもより深く書き込まれていたり、この10年で日本を取り巻く国際環境も日々様変わりしているので、前著があっても十分読み応えのある内容でした。なんなら両方手元に置いて読み比べても良いかも知んない。
やらんか(´・ω・`)
巻末に付録として「この道行けば……」と題された、「体験で綴る戦車部隊勤務」というまあエッセイかな。そういうのがあって、著者の現役時代のエピソードが語られています。ところどころ既存の戦車関係本で見たような文章もあったけれど、機甲生徒隊の一隊員であった時期から一佐の大隊長に至るまでの時代を、陸上自衛隊に配備される戦車と運用の変遷を追いながら、そして階級と役職ごとに部下への立場や兵器に対する見方が変わっていくのを見られるのは面白いな。
マンガやアニメでよくある「現場に居たいからずっと昇進しない軍人」なんてナンセンスです(´・ω・`)