ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

北野勇作「100文字SF」

例によってamazonが張り付けるのは電書リンクなんだけれど、例のごとくに読んだのは紙本です。これは結構大事なことで、初出は著者がツイッターの専用アカウントで発表していた作品をまとめたもの。https://twitter.com/kitanoyu100 ←ここで見れば確かにツイッターの書式なんだけど、16文字×7行のスタイルに組版して紙の頁に出力すればむしろこれは「詩」のように見える。SF短歌ってあったなあ昔。電子書籍だとどのように見えるんでしょうね。*1

紙上に打ち出し「原稿用紙のルール」に倣って行頭空け、ほぼ100文字というゆるい制限で文末も空きが生じる。この前後の空間がなんかいいなあ。つまりレイアウトがいいんだなこれ。表紙カバーも裏の内容紹介もこのスタイルなんだけど、巻末の書籍案内(草上仁の2冊が紹介されている)も同じ形式を踏んでいてちょっと笑った。

そして<ここ大事なんですが>どの作品もちゃんと立派な見事にSFしている。なんらの科学的見地を有しなくとも、ほぼ100文字ほどの小品であっても、ひとは思弁だけでSFの精髄を語ることが出来るのだという、これは見本みたいな一冊。読みやすいしそれもまたよし。

 

*1:いまamazonで見てきたら恐ろしいことに全ページ「画像」で表示されるらしい。ここまでストイックに「文字だけ」の本が画像で出力される矛盾。SFは絵だねえっていやそんな馬鹿な💦