ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

速水螺旋人「ワルプルギス実行委員実行する」

 

版元・掲載誌は違えど「螺旋人同時上映」*1以来の?短編集。しかしあれからもう5年も経ってるのか―、な一冊。短編集の良さというのはやっぱり藤子不二雄の異色短編集あたりで刷り込まれたものなんだろうなあ。毎月ワンアイデアで新作を描き下ろしていくというのは、長編を書き続ける事とはまた別の技術能力が要求されると思われる。どれも楽しいのだけれど唯一原作が付いてる「外套」(ゴーゴリですよ)がすさまじく異色で、なんでロボットが出てくんねん!と思わせつつ、これをロボットにすることで確かに原作の持つニュアンスを強化している…の、だろう。なにしろ原作読んでないので(えー

 

ファンタジー色の強い話が多いけれど、コロナウイルスであったりヨーロッパの難民問題であったりという、現代社会の「いま、ここにある危機」を取り込んでるのは良いですね。こういう微妙なところに触れて且つ重過ぎなく消化できるのも、それも短編のちからかな。